パリの工芸博物館(Musée des Arts et Métiers)にある1ポンドの常衡おもりは、金属でできた約束のように見える。これが1ポンドだ、と。ところが紙の上では、その記号は形よりも奇妙だ。「lb」という文字はローマのリブラ(libra)に由来する。多くの人が、メートル法にあえて背を向けているように思っている単位に、今も残る古代の名残である。[1]
「lb」として米国や英国で多く使われているポンドの正体である国際常衡ポンドは、ちょうど0.45359237キログラムと定義されている。[1] そしてキログラムは現在、最終的には定義定数に結びついたSI基本単位であるため、古めかしく見えるポンドには、メートル法にもとづく物理学的な土台がある。[2]
一般に使われるポンドは、単なる歴史上のポンドの一つではない。国際常衡ポンドと呼ばれる質量の単位で、16常衡オンスに分けられ、英国の帝国単位系と米国慣用単位系の両方で使われている。[1] その略号がちぐはぐに見えるのは、ローマの単位リブラから受け継がれたものだからだ。リブラは、リブラで測った重さを意味する「libra pondo」という表現のもとになった。[1]
この小さな「lb」には、奇妙さが詰まっている。英語話者は「pound」と言い、ラテン語由来の略号を書き、しばしばその単位を、メートル法的な発想が広まる前から生き残ったもののように扱う。しかし法的には、現代のポンドは独自の原器や別個の自然標準に支えられているわけではない。国際常衡ポンドは、ちょうど0.45359237キログラムに固定されている。[1] 逆にいえば、1キログラムは約2.2046ポンドである。[2]
メートル法の背骨を持つ帝国単位
この仕組みの中心にあるのがキログラムだ。キログラムは質量のSI基本単位で、記号はkg、1000グラムに等しい。[2] その名称は、1000を意味するメートル法の接頭語「キロ」と「グラム」を組み合わせたものだ。[2] 現在のSIでは、キログラムは最終的に、セシウム133原子の特定の遷移周波数を含む3つの定義定数を通じて定義されている。[2]
スーパーのはかりにセシウム原子が表示されるわけではないし、ダンベルラックにSIの説明が書かれているわけでもない。このつながりは飾りではなく、法的・計量学的なものだ。現代の計測体系には、再現でき、比較でき、実施できる単位が必要である。キログラムはかつて、国際キログラム原器という人工物の標準と結びつけられていたが、その原器の質量が変化しているのではないかという懸念が、計量学を自然定数にもとづく定義へと押し進める一因となった。[4]
ポンドは、その安定性を一つの数値を通じて借りている。ポンドの定義は「約」0.45359237キログラムではない。正確に、そのキログラム数なのである。[1] つまり、食品表示やジムのプレート、配送箱に印刷される一見古風な単位は、国際単位系で使われる同じ質量単位に固定されているのだ。
質量、重さ、そして日常の省略表現
日常の言葉は、もう一つの境界もぼかしている。人々は荷物が5ポンド「重い」と言い、人の体重が180ポンドだと言う。ここで扱っているポンドは質量の単位であり、ポンド重は関連はあるが別の力の単位である。[1] キログラムも同じように気軽に扱われる。人々はキログラムを重さとして話すが、厳密には重さとは物体にはたらく重力の力である。[4]
質量は物体に属したままだ。重さは重力によって変わる。1キログラムの物体は、たとえそれを支えるのに必要な力がまったく違っても、微小重力下でも地球上でも同じ質量を持つ。[4] ポンド質量も同じ分類に属する。重力がそれをどう扱うかは、別の問題なのだ。
おなじみの略号の中には、静かな逆転がある。ポンドは地域的で、古く、実用的に見える。キログラムは国際的で、抽象的で、科学的に見える。だが法的なポンドはすべて、固定された小数の関係によってキログラムに結びつけられている。[1] 次に「lb」がはかりに表示されたとき、それは二つの歴史を同時に背負っている。文字にはリブラの名残を、その足元には正確なメートル法換算を。




